2013年2月17日日曜日

バッハ-コレギウム-ジャパン 福井演奏会評

2013年2月17日 日曜日
福井県立音楽堂(ハーモニーホールふくい) (福井県福井市)

曲目:
全曲ヨハン=セバスチャン=バッハ作曲

前奏曲 BWV552/1
コラール「主イエズス=キリストよ、我らを顧みて」 BWV709
フーガ BWV552/2
管弦楽組曲 第3番 BWV 1068
(休憩)
カンタータ 第30番 「喜べ、贖われた者たちの群れよ」 BWV 30 より第2.3.4を除いた全て
カンタータ 第191番 「いと高きところには栄光神にあれ」 BWV 191

ソプラノ:ハナ=ブラシコヴァ
アルト(カウンターテノール):ロビン=ブレイズ
テノール:ゲルト=テュルク
バス:ペーター=コーイ

オルガン:鈴木雅明
合唱・管弦楽:バッハ-コレギウム-ジャパン(BCJ)
指揮:鈴木雅明

最初の三曲は、鈴木雅明のオルガン-ソロである。オルガンの出来は可もなく不可もなくと言った形だ。鈴木雅明は、最後を割と引っ張る演奏を行う。福井県立音楽堂は残響が豊かなホールであるはずなのだが、オルガンの残響はあまり良く計算されていないのか、すっと消える形となる。

福井県立音楽堂のオルガンに関して、鈴木雅明は2013年2月18日に下記のツイートを発している。参考までにURLを明記する。

https://twitter.com/quovadis166/status/303157478470860800
https://twitter.com/quovadis166/status/303158225975517184
https://twitter.com/quovadis166/status/303159319929704449
https://twitter.com/quovadis166/status/303160065869901825
https://twitter.com/quovadis166/status/303161376346624000

福井県立音楽堂のオルガンはドイツ、カール=シュッケ社のもので、5402本ものパイプを伴う立派なものであるが、それでも全てのオルガン奏者を満足させる事は難しいらしい。余程の策を講じなれば低い稼働率となるオルガンを設置する事が如何に難しいか、痛感させられる。

管弦楽組曲、第一楽章の入りが明瞭な響きでない。比較的良かったのは第二楽章である。トランペットが控え目過ぎてアクセントになっていない。チェンバロの音は配慮されていたが。全体的に、福井県立音楽堂の音響の良さを今ひとつ活かせていない。

休憩後のカンタータBWV30は、カウンターテナーのロビン-ブレイズのソロが良かった。レシタティーヴォのみであれば、ソプラノのハナ=ブラシコヴァの良い。

BWV191でも言えた事だが、何かアクセントをつけると言うよりは、溶け込ませる事を旨とした演奏であるように思う。私にとっては、あまり好みの演奏ではない。

アンコールは、ロ短調ミサ曲の終曲、「我らに平安を与えたまえ」であった。

写真は、福井県立音楽堂のオルガンと、その解説である。